しばらく前から、ジャーナルを始めてみようかと考えていたのかもしれません。頭の中を整理したり、思いを書き留めたり、一日を振り返ったりできる場所があるのはいいな、と。
ところが、ノートを開いて最初の白紙のページを見つめると、こう思ってしまう。「いったい何を書けばいいんだろう?」
うれしいことに、ジャーナリングを始めるのに必要なのは、書く場所と、数分の時間と、心にあることだけです。一日についての一文、掘り下げてみたい気持ち、考えてみたい問いから始めてかまいません。
毎日書く必要はありませんし、「親愛なる日記へ」と書き出す必要もありません。そして何より、書き始める前に何を言いたいのかがはっきりわかっている必要もないのです。
ジャーナリングが初めてなら、このガイドが、心地よく取り組めるやり方を見つけ、何を書くかを考え、自分の暮らしに合った習慣をつくるお手伝いをします。
ジャーナリングとは?人はなぜジャーナリングをするのか
ジャーナリングとは、自分の考えや気持ち、経験、アイデアを、自分だけの場所に記録する習慣のことです。一日の出来事を書いたり、難しかった会話を振り返ったり、感謝していることをリストにしたり、忘れたくないアイデアを書き留めたりすることかもしれません。
人生のさまざまな瞬間を覚えておくためにジャーナルを使う人もいます。何かを乗り越えたいとき、考えを整理したいとき、あるいはただ少し自分と過ごしたいときに、書くことに向かう人もいます。
覚えておきたいのは、ジャーナルが果たすべき目的はひとつではない、ということです。
自己を振り返るためのジャーナリングは、自分がいま何を考え、何を感じているかに気づく機会にもなります。時間がたってから過去の記入を読み返すと、繰り返し現れるテーマや、変わってきた優先順位、自分の成長の瞬間に気づけるかもしれません。
研究によれば、ある種のジャーナリングにはメンタルヘルス上のメリットがある可能性がありますが、その効果はさまざまです。ジャーナリング介入に関する2022年のシステマティックレビューとメタアナリシスでは、調べられたメンタルヘルスの指標全体でささやかな効果が見られた一方、研究間の大きなばらつきや、現時点でのエビデンスの限界も指摘されています。
とはいえ、何か特定の成果を目指してジャーナリングを始める必要はありません。考えるための余白がもう少しほしい。それだけで、試してみる理由としては十分です。
研究についてさらに詳しく知りたい方は、関連記事「ジャーナリングはメンタルヘルスに役立つのか?研究が示すこと」をお読みください。
ジャーナリングを始める5つのシンプルなステップ
初心者がどうやってジャーナリングを始めればいいか迷っているなら、シンプルに考えましょう。手の込んだ仕組みを整えたり、新しい毎日のルーティンを約束したりしなくても、この5つのステップは今日から試せます。
1. 書く場所を選ぶ
ジャーナルは、紙のノートでも、パソコンの文書でも、デジタルのジャーナリングアプリでもかまいません。心地よく、気軽に戻ってこられるものが正解です。手で書く感触が好きな人もいれば、思いついたときにいつでも書き留められるよう、スマートフォンにジャーナルがあるほうがいい人もいるでしょう。
どれが自分に合うか決める前に、いろいろ試してみるのもいいでしょう。
エクスプレッシブ・ライティングをテーマにした米国心理学会(APA)のインタビューで、心理学者のジェームズ・ペネベーカーは、さまざまな書き方を比較した研究に触れながら、自分がいちばん心地よく使える形式を選ぶようすすめています。
大切なのは、完璧なジャーナルを見つけることではありません。書きたいと思える場所を見つけることです。
2. 5分から始める
始めるのに、ひと晩まるごと時間をとったり、何ページも埋めたりする必要はありません。まずは5分、時間をとってみましょう。ジャーナルを開いて数行書き、思いがどこへ向かうか見てみてください。
もっと書きたいことがあれば、そのまま続けましょう。1分で書き終えた気がしたら、それでもかまいません。小さく始めれば、ジャーナリングをやることリストの大きなタスクにすることなく、どんなところが楽しいのかを見つけやすくなります。
3. 心にあることを書く
最初の記入に、大事なテーマやおもしろい話は必要ありません。
今日あったこと、ずっと抱えている気持ち、覚えておきたい会話、楽しみにしている計画について書いてみてもいいでしょう。
どこから始めればいいかわからなければ、次の文の続きを書いてみてください。
- いま、私が考えているのは…
- 今日について覚えておきたいのは…
- もっと大切にしたいことのひとつは…
いちばん興味をひかれる考えをたどってみましょう。すべての問いに答える必要も、結論にたどり着く必要もありません。
4. 完璧に書こうとしない
ジャーナルは作文ではありません。誰かが採点するわけでもなく、一文一文を美しく、示唆に富んだものにする必要もありません。
断片的に書いてもいい。リストにしてもいい。文の途中で考えを変えてもいい。何かを書いて、あとから違う気持ちになってもいいのです。
柔軟なジャーナリングについてのロチェスター大学医療センターの記事でも、どのくらいの頻度で書くか、記入がどうあるべきかといった思い込みを手放すようすすめています。
ジャーナルは、考えを探る場所であって、すべての答えが出ていなければならない場所ではないと考えてみてください。
5. 言いたいことを書き終えたら、そこでおしまい
ページの最後まで書き続ける必要はありません。
胸のつかえを下ろしたかったのかもしれません。忘れかけていたアイデアを思い出したのかもしれません。あるいは、三文書いたところで、もう一日を始める準備ができたと気づいたのかもしれません。
それで十分です。
ジャーナルを閉じて、また何か言葉にしたいことができたときに戻ってきましょう。
ジャーナルには何を書けばいい?
初心者のジャーナリングでいちばん大きな疑問は、いちばんシンプルな疑問でもあります。「何について書けばいいの?」答えは、その日の自分に何が必要かによって変わります。
気に入ったやり方に落ち着く前に、いくつか試してみるのもいいでしょう。
毎日の振り返り:今日あったこと、どう感じたか、覚えておきたいことを書きます。一日をまるごと記録しても、印象に残ったひとつの瞬間だけでもかまいません。
感謝のジャーナリング:ありがたいと感じたことをいくつか書き留めます。心に残る会話でも、おいしい食事でも、ひとりで過ごした静かな5分間でもかまいません。
ポジティブ心理学のエクササイズに関する2005年の研究では、毎日うまくいったことを3つ、その理由とともに記録するというエクササイズが検討されました。この結果は、この特定の実践がウェルビーイングを支える可能性を示していますが、あらゆる感謝のジャーナリングに同じ効果があることまでは示していません。
フリーライティング:いま心にあることから書き始め、どこへ向かうか決めずに書き続けます。気持ちを探ったり、アイデアを練ったり、ただ考えを言葉にしたりしてみましょう。
計画と整理:ジャーナルを使って計画を立てたり、目標を掘り下げたり、決断について考えを整理したり、アイデアを集めたりします。すべての記入が感情についてである必要はありません。
思い出と日常のひとこま:おかしかった会話、散歩中に気づいたこと、忘れたくない小さな瞬間を書き留めます。ジャーナルは、ふだんの暮らしの記録にもなるのです。
ひとつのスタイルを選んで、ずっと続ける必要はありません。何が役立つかに応じて、ジャーナルもあなたと一緒に変わっていけばいいのです。
初心者のためのジャーナルプロンプト10選
ジャーナリングでいちばん難しいのは、最初の白紙のページを乗り越えることかもしれません。
そんなときこそ、ジャーナリングのプロンプトが役立ちます。シンプルな問いは、答えを決めつけることなく、書き始めるきっかけを与えてくれます。
初心者におすすめのジャーナルプロンプトを10個ご紹介します。
- 最近、頭の中でいちばん大きな場所を占めているのは何だろう?
- 今日のひとこまで、覚えておきたい瞬間は?
- いま、どんな気持ち?その気持ちには何が影響していそう?
- 楽しみにしていることは何?
- 今日、難しいと感じたことは?それを乗り越える助けになったものは?
- 感謝している小さなことをひとつ挙げるとしたら?
- 時間をつくりたいと思いながら、できていないことはある?
- 明日は何を違うふうにしてみたい?
- 最近、自分について気づいたことは?
- いま、自分に何かをもう少しだけあげられるとしたら、それは何?
気になるものをひとつ選んでみてください。一文だけ書いても、一ページを埋めても、その問いをきっかけにまったく別の考えを探ってもかまいません。
- 今日はどれもしっくりこないなら、いつでもこう書き始められます。「何を書けばいいかわからないけれど…」
ときには、それだけで十分なのです。
ジャーナリングはどのくらいの頻度ですればいい?
毎日でも、週に数回でも、書きたくなったときだけでもかまいません。誰もが従わなければならない決まったスケジュールはありません。
振り返る時間が定期的にあるのが好きなら、毎日のジャーナリングは役立つルーティンになるでしょう。でも、毎日書くことが義務のように感じられてきたら、もっと柔軟なやり方のほうが合っているかもしれません。
目指すのは、ジャーナリングが自分の暮らしの中で役に立ち、取り組みやすいものになるリズムを見つけることです。
朝のコーヒーと一緒に5分書いてもいいし、仕事のあとに自分の様子を確かめてもいいし、何か大切なことが思い浮かんだときにジャーナルを開いてもいいのです。
何日か書かない日があったら?また始めればいいだけです。
続くジャーナリングの習慣をつくるには
ジャーナリングを暮らしの定番にしたいなら、まずは戻ってきやすくすることから始めましょう。
習慣形成の研究によれば、同じ状況で行動を繰り返すと、時間とともにその行動がより自然にできるようになるとされています。日常の習慣形成に関する2010年の研究では、ある行動を一度行わなかったとしても、習慣が形成されるプロセスに大きな影響はなかったこともわかりました。なお、この研究が対象にしたのは日常の習慣全般で、ジャーナリングに限ったものではありません。
試してみたいジャーナリングのコツをいくつかご紹介します。
すでにしていることと結びつける。朝のコーヒーのあと、寝る前、あるいはいつもひと息つくタイミングにジャーナルを開いてみましょう。
ジャーナルを手の届くところに。ノートを目につく場所に置いたり、ふだんよく使うデバイスにデジタルのジャーナルを入れておいたりしましょう。
最初の一歩は小さく。一文でも立派な記入です。書きたいときは、いつでももっと書けばいいのです。
書かない日があってもいいと、自分に許してあげる。記録しなかった瞬間をすべて取り戻す必要はありません。いま心にあることから始めましょう。
必要なときはやり方を変える。毎日の振り返りがマンネリに感じられてきたら、新しいプロンプトや感謝のジャーナル、白紙のページを試してみましょう。
ジャーナリングの習慣をつくるといっても、同じルーティンをずっと続けなければならないわけではありません。忙しいときでも戻ってきやすい実践を見つけることでいいのです。
ジャーナリングはメンタルヘルスに役立つのか
ジャーナリングは、気持ちを表現し、経験を振り返り、心にあったことに気づく場所になります。
書くことで気持ちが整理されたり、つらい考えと少し距離をとれたりすると感じる人もいます。あとで読み返して、時間とともに変わってきたことに気づける個人的な記録があることを楽しむ人もいます。
けれど、メンタルヘルスのためのジャーナリングに、誰にでも合う唯一の方法はありません。苦しい経験について書くことは、あるときは助けになり、別のときには圧倒されるように感じられるかもしれません。
エクスプレッシブ・ライティングについての米国心理学会(APA)の対談では、書くことが感情の整理を支えうることを探りながら、人によってこの実践への反応が異なることも認めています。
あるテーマについて書いて気分が大きく悪化するなら、そのテーマについて書くのをやめたり、もっとやさしいテーマを選んだりしてかまいません。また、苦しさが続いている場合、ジャーナリングはセラピーやほかの専門的なメンタルヘルス支援の代わりにはなりません。
ジャーナルは、役立つと感じるときに使えるリソースであるべきで、新たなプレッシャーの源になるものではありません。
Writewayでジャーナリングを始めよう
ジャーナリングを始めるのに、複雑な仕組みは必要ありません。でも、心地よく書ける場所があって、ほしいときに少しだけ道しるべがあれば、最初のページはぐっと取り組みやすくなります。
Writewayは、ガイド付きジャーナル、心のこもったプロンプト、白紙のページを、ひとつのパーソナルなデジタル空間にまとめています。
心にあることに合ったジャーナルを選んだり、きっかけがほしいときはプロンプトに沿って書いたり、自由に書きたいときは白紙のページを開いたりできます。
終わりのない文書を埋めなければというプレッシャーはありません。どのページも、集中できる場所と、自然な区切りを与えてくれます。
そしてWritewayは実際の暮らしに寄り添うように作られているので、考える時間が必要なときはいつでも戻ってこられます。守るべき完璧な連続記録も、たったひとつの正しいジャーナリングの方法もありません。
Writewayの機能を見て自分に合ったやり方を探したり、私たちのジャーナリングへの考え方を知ったり、Writewayをダウンロードして最初のジャーナルを無料で始めたりしてみてください。
最初のページは、始めるための場所
始める前に、ジャーナリングのやり方を知っている必要はありません。
ひとつの考え、ひとつの問い、ひとつの思い出、一日についての一文から始められます。5分書いてもいいし、数語でやめてもいい。明日戻ってきても、来週戻ってきてもいいのです。
ジャーナルが、人生のすべての瞬間を記録したり、感じていることをすべて理解させてくれたりする必要はありません。
ただ、あなたの思いに行き場をつくってくれれば、それでいいのです。
さあ、始めてみませんか?
参考文献
- Sohal, M., Singh, P., Dhillon, B. S., & Gill, H. S. (2022). Efficacy of journaling in the management of mental illness: A systematic review and meta-analysis. Family Medicine and Community Health.
- American Psychological Association. (2024). Expressive writing can help your mental health, with James Pennebaker, PhD. Speaking of Psychology.
- Nunes-Harwitt, M. (2025). No Rules Just Write: A New Approach to Journaling. University of Rochester Medical Center, Behavioral Health Partners.
- Seligman, M. E. P., Steen, T. A., Park, N., & Peterson, C. (2005). Positive psychology progress: Empirical validation of interventions. American Psychologist.
- Lally, P., van Jaarsveld, C. H. M., Potts, H. W. W., & Wardle, J. (2010). How are habits formed: Modelling habit formation in the real world. European Journal of Social Psychology.
- Kent State University, Office of the Dean of Students. Journaling 101.









